中間 十五夜
概要
・南九州、沖縄で受け継がれてきた中秋満月(旧8月15日、平成27年は新歴9月27日)の行事である。
・大隅、薩摩両半島が盛んといわれるが、屋久島では全集落で行われており、際立っている。
・なかでも、中間地区は伝承の形式がしっかり残っており、綱引の唄「口説き」≪十五夜口説き――リンク≫も2時間に及ぶ。
綱の準備 (以下、平成27年9月27日実施を例に)
・綱打ちは朝7時半頃に集落民が公民館前に集合して、各戸が準備した茅と早朝に採取したカズラ(クズの蔓))を材料に作業を始める。
・女性陣が茅を手すきして整え、男性陣がカズラを芯に、やぐらに綱をかけてよりをかけながら綱打ちをする。
・以前は細めの綱を3本作り、それをまとめて30cm余の本綱を作ったというが、現在はワイヤーも芯に入れて一回で本綱を仕上げている。
・綱打ちは5人の男性が力と息を合わせての力仕事である。
・10時頃に完成した綱は集落内旧道に運ばれ、昇り龍がとぐろ巻いた姿といわれる円筒状に巻かれて置かれる。
・椎、コサン竹を供えて神事を行い、夜を待つことになる。
綱引行事
・午後6時半頃、月の出に合せて公民館に一同集合し、月に向かって「月拝み」を口説きの歌い手と役員が行う。
・そこでは「上げ唄」(屋久町郷土史村落誌)が唄われる≪芸能十五夜唄――リンク≫≪唄部分動画あり――リンク≫
・本綱は、100人ほどの住民が集合した通り(旧道)に延ばされ、引き綱にあたるカズラを本綱にくくりつけて綱引の準備が整う。
・十五夜唄として若手による「鈴木主水」と「おくめ口説き」(一部)、中堅による「おくめ口説き」、長老による「八兵衛口説き」がある≪十五夜唄――リンク≫。
・それぞれの唄に合せて、東西の組3回の綱引勝負が行われ、東が勝てば豊作、西が勝てば大漁といわれる。
・それぞれの綱引勝負では、最初唄に合わせて引き綱を持った引き手が5回上げ下げし、そのあと綱引になる。≪動画あり――リンク≫
十五夜の相撲
・綱引の後、綱を墓地脇のミニグランドに移して土俵とし、子供たちが相撲をとる。
・かつては、綱は最後に海に流したが今は環境配慮もあって農地に戻している。
【参考資料】
• 屋久町郷土誌第1巻村落誌上
• もっと知りたい屋久島~人と暮らし編 下野敏見
他に区長、住民聞取り
写真
中間十五夜綱引はみんなが熱中する楽しい伝統行事 |
中間 十五夜芯の素材はカズラ(クズの蔓) |
中間 十五夜カズラにワイヤーも束ねて芯材をつくる |
中間 十五夜女性陣が茅をすいて準備をすすめる |
中間 十五夜芯材に茅を束ねて綱の頭部にする |
中間 十五夜準備した櫓にかけて綱打ち始める |
中間 十五夜綱打ちは男性6人がかりの力仕事である |
中間 十五夜大勢で引きながら、直径30cm、長さ00mの本綱をつくる |
秋大祭幟完成した本綱を通り(旧道)に運び、とぐろに巻く |
中間 十五夜榊、竹を供えて区長以下礼拝する |
中間 十五夜そのまま夜を待つ |
神社と森山大明神月の出を待ち、ススキやハギなどを供えて「月拝み」を行う |
中間 十五夜「口説き」の歌い手が「上げ唄」唄う |
参道上から集落通りに伸ばした本綱に引手になるなるカズラを取り付けて準備が整う |
中間 十五夜「口説き」合わせて引き綱を持って、掛け声とともに上下させる |
中間 十五夜満月の下で「口説き」唄う |
中間 十五夜「口説き」は3回唄われるが、それにしたがって綱引も3回行われる |
中間 十五夜その都度、綱を上下させてから綱引を行う |
中間 十五夜住民がそろって綱を引く |
中間 十五夜綱引 |
中間 十五夜綱引の後、綱を広場に運ぶ |
中間 十五夜綱で土俵をつくる |
中間 十五夜土俵をつくる |
中間 十五夜子供たちの相撲 |
中間 十五夜子供たちの相撲 |