ポンカン・タンカン
概要
・屋久島の名が付く特産品であるポンカン、タンカンともに亜熱帯性の柑橘類である。
・高温を好む果樹だが、高山のある屋久島は日夜の気温格差が大きいことや収穫期に雪山の寒気の影響もあって味が濃厚とされている。
・屋久島南部の平内地区は日の出から日没まで、日照時間が長いので品質がいいといわれている。
・前岳のすそにあたる集落上部の傾斜地は、石も多いが水はけのよい栽培適地で樹園地が広がり、屋久島有数の生産地になっている。
・サトウキビから、実エンドウなどの輸送野菜と変化してきた平内の農業の中で、現在中心になっているのがポンカンとタンカンである。
・ポンカンは古くからの屋久島伝統の柑橘として長年主力作だったが、最近はその後導入されたタンカンの生産量が三分の二近いといわれている。
ポンカン
・中国南部原産のミカンで、大振りな姿と味と香りに特徴がある。
・大正13年に黒葛原兼成氏が台湾から苗を導入した平内は、屋久島ポンカン発祥の地とされる。≪ポンカンと原木園と黒葛原兼成――リンク≫
・黒葛原翁の努力もあり、平内で育成、普及された屋久島のポンカンは銘柄品になっている。
・11月末から収穫が始まり、年内に出荷されることから本土ではお歳暮商品の定番になっている。
タンカン
・タンカンは2月に収穫される晩柑でオレンジと温州ミカンの自然交配種といわれ、中國南部原産とされる。
・屋久島に導入されたのは昭和30年代で、栽培が本格化するのは40年頃からである。
・県農照葉樹林屋久島分場で優良品種垂水1号が開発されたこともあり、産地として確立している。
・むいて食べられるオレンジ風味のミカンとして市場でも人気があって改植が進み、最近は伝統のポンカンを越えている。
【参考資料】
屋久町郷土誌第一巻集落誌上
その他に住民聞取り