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二十三夜

概要

・十五夜ほど盛んではないが、全国的にある月齢による月待行事。
・昔は島中で行っており、翌朝の日の出まで飲み明かしたといわれている。
・平内では旧暦12月23日の夜、集落役員他住民が生活館に集まって行っている。
・日と月に感謝して前年の願を解き、新年の「五穀豊穣と豊漁、村の安全祈願」の行事とされる。
・「コモイ(お籠りの意か?)」と称する神を拝む役が選ばれる。
・コモイ他参会者は行事の最初に日の入り、最後に月の出を拝んで祈願する。
・コモイは、行事の間は座敷のしめ縄を張った一角(結界)の席について、次々に訪れる住民に酒をふるまい、挨拶を受ける。コモイ以外は結界に入れない。
・しめ縄の内側(結界)に日月をかたどった紅白の餠、365個の小型の紅白餅、カメの手、椎の実、米、塩、野菜、果物、菓子が供えられ、コモイが席につくときにロウソクに火が灯される。
・参集した住民は、日の入りから月の出までコモイが眠らないよう賑やかに飲み食いする。
・二十三夜祭り行事来歴など(住民の話)。
・古くは、この祭りは浜で行われたといわれる。二十三夜の時期は日没から夜半に上る月(半月)まで闇夜になるので、浜に帰る漁船の目標として火が焚かれたといわれる。結界にはその象徴としてロウソクが灯される。このロウソクは日の入りから月の出まで消してはならないことになっている。

平成27年二十三夜祭り(平成28年2月1日)

・婦人有志が、生活館調理室で祭りの料理を準備する。
・18時前、一同が会場の生活館前で日の入りを拝む。
・コモイに選ばれた2人がしめ縄の中(結界)入り、ロウソクに火を灯す。
・会場の生活館和室に次々と住民が訪れ、コモイとも飲み交わして宴会は6時間に及ぶ。
・0時半前、一同月の出を拝んでお開きとなる。
・あいにくの雨もようにて、太陽も月も見ることができなかった。

【参考資料】
①屋久町郷土誌第一巻村落誌上
②屋久島民俗誌 宮本常一
他に区長他、住民聞取り

写真

日没を拝む

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生活館で行われた二十三夜祭りは18時前、日没を拝むことから始まる。

婦人有志が料理を準備

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調理室で、婦人有志が祭りの料理を準備する。

コモイが結界に入る

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和室に設けられたしめ縄で仕切られた結界にコモイの2人が入る。

ロウソクに火を灯す

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コモイがロウソクに火を灯す。

さまざまな供え物

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結界にさまざまな供え物が並ぶ。

供え物の中心は日月の餠が

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供え物の中心は日と月をかたどった紅白の餠。

結界にコモイ着席

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コモイが席について一座が整う。

お参りの人に酒を注ぐ

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コモイはお参りに来た住民に酒を注ぐ。

お参りの人々に酒を注ぐ

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住民が次々訪れ、神様との繋ぎ役ともいえるコモイはなかなか忙しい。

宴会b

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盛りだくさんの料理が出され、宴会が始まる。

岳参り

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月の出までコモイが眠らないようにと、賑やかな宴会は6時間余り続く。

宴会c

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宴会。

月の出を拝んで終了

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0時半前に生活館前で月の出を拝んで、二十三夜祭りは終了する。

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